季龍さんとまともに顔を会わせたのは、学校の終業式以来だ。

あの日、話し合いがあった次の日。

奏多さんから教えてもらったのは、巨人さん改め、青海さんが梨々香ちゃんの護衛として戻ってきたこと。そして、しばらく人の出入りが多いから食事の量が変わりやすいこと。その2つだけ。

学校があったときは季龍さんと過ごす時間が長かったけれど、特に話すこともなかった。

終夏休みに入ると、いよいよ接触はなくなって、声を聞くことすらなかった。

そして、奏多さんと暁くんもどちらかがいないなんてざらで、1人で過ごす日もあった。

そんな日々のせいか、寂しいなんて思いもしなかった感情が溢れてきて、それを誤魔化すために掃除をしたり、本を読んだりしていた。

でも、寂しかったのは私だけではなかったようで、梨々香ちゃんがよく一緒にいてくれた。

そんな日はとにかく宿題と2人で夏休みの宿題を片付けた。

でも、その頻度があまりに高かったせいか、2人とも宿題を7月いっぱいで片付けてしまって2人して唖然した。

それからはもっぱらお菓子作りに熱中して、気配を察したのか源之助さんがやって来ては3人でお菓子を囲んでお茶会をしていた。