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──千瀬が学校を休んで、3日が過ぎた。

高熱が下がったと思えばまた上がる、ということを繰り返しているらしく、症状はまだ悪いままで。



「今日も行くのか?」



「うん、行ってくる。

……送ってくれてありがと、織春」



今日は、金曜日。──土日を挟み、月曜から、トモが学校に来た目的である期末テストが実施される。

だからなんとしてでも土日の間に治してほしいのだが、上がったり下がったりしている分、下がっても油断できない。



「……何かあったらいつでも連絡してこい。な」



片腕で軽く抱きしめた後、うなずけば軽いキス。

付き合ってから一緒に帰るといつも別れる前にしてくれるそれ。彼と付き合ってみたら、存外心地よくて受け入れられている自分もいる。



「またね」と手を振って今日も、ハリネズミの鍵を取り出し、鍵穴に差し込んだ。




「お邪魔しまーす」



そろりと玄関で靴を脱いで、お邪魔する。

いつも消えているリビングの電気がついていて、ん?とその中へ足を踏み入れれば、ちょうど同じタイミングで、洗面所とつながるドアが開いた。



「ああ、莉胡、来てたの?」



「いま、来たん、だけど……

シャワー浴びてたの?」



「そうだよ。熱上がってたらシャワー浴びられないし、マシなうちにね。

……昨日の晩病院行って薬ももらってるから、もう上がらないような気はするけど」



わしゃわしゃとタオルで髪を拭く千瀬。

それはいい。……それは、いいんだけど。



「体調悪いんだから、

はやく、上の服きたほうがいいんじゃないかしら……」