ミヤケからいまだに連絡はくる。

だけど俺は、東と完全に縁を切った。



「俺と莉胡は、東から追放されてるんだよ」



「……追放？　なんで、」



「前に莉胡が浮気したって言ってたでしょ。

……あれは実際、浮気じゃなくてただの事故だけど。──その事故の相手は俺だから」



簡潔に、どうして十色さんが俺らを追放したのかを説明する。

それを聞いた幹部はなんとも言えない顔で、どちらかといえばあきれていた。



「それってさ〜。

ただ単に千瀬に嫉妬して、莉胡と千瀬のことを追放したんだろ〜？」



「……まあ、そうなんじゃないの？

あの人プライド高いし、揺らいでなくても莉胡がほかの男と、っていうのが許せなかったんでしょ」




心底面倒な話だと思う。

思わずため息を吐き出したところで、俺のスマホが鳴った。──莉胡？と液晶を確認して、その相手に、また薄くため息。



「いま忙しいんだけど」



『お前ほんと俺に冷たいな……！

せっかく俺が十色さんの目盗んでお前に情報渡してやってんのに！』



「はいはい、で、何？

東とは縁切ったつもりでいるんだけど」



『お前いまどこ？』



「忙しいって言ってんだろ切るからな」



『ちっげーよ！！莉胡！！

あいつ突然街中で倒れかけて、咄嗟に十色さんに連絡したから今東にいるんだよ！！』