昨日のことを思い出すと
湯気が出るくらい顔が熱い

彼女の体温に包まれて
ちゃんと抱き締めたい

日に日に想いが増していく
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昨日の美緒とのことを思い出すと、顔が熱い。

会社の帰りに……同僚から声をかけられた。
「この間、女の子と一緒にいるの見かけましたよ」
「そう?気づかなかった……な」
「あんな人と付き合って、何になるんですか?」
お前に関係ない……ほっといてくれ……イラッとした。
「お前に関係ないだろ……」

それは、突然だった。
「私が……好きだって……言ったら?」
「そういう風に見たことない。俺には付き合ってる人がいるし……」
「私のこと好きじゃないことはわかった。一度でいいから思い出を……」
「彼女がいて、他の女といるとか……おかしいだろ?」
「もういい……わかった」
彼女の切ない……瞳……
そのまま走り去る……

視線を感じて……美緒がいた。
「一緒にいた人……は?」
「嫉妬したの?かわいい……な」
「会社の同僚だよ」
「何の話してた……の?あの人と付き合う……の?」
「そんなこと決めつけるな。美緒はバカだな。俺には美緒がいるんだから……」
「でも……あの人……綺麗……だった……」
「他の人と比べるなんて無意味なんだよ。美緒が一番かわいいよ。俺のほうが先に惚れてたんだよ。付き合い始めるずっと前から好きだったんだよ。」

溺れないように……してたのに、でも……もう……美緒無しじゃいられない。
「そんなに心配……なら、一緒に暮らさない……か?」

大きくて……優しくて……強くて……
あなたと過ごす時間が私の全て……

いなくならないで……
私1人置いていかないで……
急に心細くなって……

恋の蕾が花開く
あなたの隣で花開くよ
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待ち合わせしていなかったけど、彼に会いたくて会社の近くまできてしまった。

彼がでてきた。声をかけようとしたら、他の人に声をかけられていた。綺麗な人……

信じてたのに、また今までのように……?急に心細くなって……不安になって……

彼が1人になってからも、声をかけられなく……ただ呆然と見つめていた。

私に気づいてくれ……嫉妬に狂って……咄嗟に出た言葉は……嫌な言葉が止まらない。だけど、愛の言葉を囁かれ、うっとりトキメキそうになった。不安を取り除いてくれた。

「そんなに心配なら、一緒に暮らさないか?」
「私のわがままだからぁ……嫌な思いさせて、ごめんね」
「そんなところも好きだよ。俺のこと好きってことだろう?」
「うん……好き……」

叶うはずもないこと……
期待しちゃいけない……

好きなのに
好きって言うのが怖かった
今の関係が壊れるのが怖かった

好きって伝えたくて
でも伝えられなかった

私じゃダメだった?
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好きな人……付き合ってる人はいないって聞いて、期待していた。好きだけど、今の関係が壊れるのが怖かったから、告白できなかった。

そんな時、彼女ができたと噂を聞いた。そんなの嘘……信じたくなかった。彼が会社帰りに女会っていた。一目で彼女ってわかる……

それでも、諦められない想い……

思い切って、告白したけど……撃沈。なんでもっと早く告白しなかったんだろう?告白していたら、違ってた?私じゃダメなの?

きっと、嫌われてはいない。でも、あなたと私の気持ちは同じじゃない。彼女を見つめる目を見ればわかる。

美人だって言われるけど、好きな人に好きになってもらえなければ何の意味もない。


彼を好きになって知った
大事に想う気持ち

彼と一緒にいられない時
本当は独占したいと思ってた
私のわがままだってわかってるけど……
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一緒に暮らさないか……っていわれたけど、結局今までのまま。でも、本当は独占したいと思ってた。好きだから、知られたくない本当の気持ち……

和くんが帰りが遅くて、1人で部屋にいると、インターホンがなる。アキラと一緒にいた人だった……どうしたらいいの?と、悩んでいたら、ちょうど和くんがきたみたい。

玄関で、私を呼ぶ和くんの声……
「美緒、友達きてるぞ……」
「知らない人……だけど……」
「えっ……」
「あなた、彼を無理やり付き合わせてるのね。彼があなたを相手にするわけない。あなたになんか負けないんだから……」
あーもー……腹立つ。勝手なことばかり言って……すごくイライラする。すごくムカムカする。こんなのイヤ。

それだけ言って、その人は帰っていった。

「美緒、アキラとうまくいってない……のか?」
「うまくいってると思ってたんだけど……なんかわかんなくなってきた……私じゃ似合わないのかな……」
「そんなことないと思うけど……」

一緒にいない時のことなんてわからない。独占したいと思ってたけど、冷静になろう。彼に溺れていく自分が怖くなって……距離をおくことにした。それが私達のためだと思って……

キミに恋してる
今までよりも深く……

今……何を考えてる?

先に好きになったのは……オレ……

もっとふたりきりでいたいと思ってしまう

だけど温度差を感じ始めた
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一緒に暮らさないか……って言ったけど、結局今までのまま。ずっと一緒にいたい。離れていたくない。もっとふたりきりでいたい。

だけど、あれから美緒と会えない。なんでだよ……俺は毎日でも会いたい……のに……

美緒に会えないから、会社の人と一緒に飲みに行くことが増えた。告白してきた女もいてけど、もう終わったことだし、別に気にしてなかった。

あなたと過ごすうちに
こんなに好きになるなんて
胸がいっぱいになる

時間はゆっくり進む
会えてうれしくてたまらない
でも心の中の消えないトゲ
優しくされればされるほど……

一緒にいられるだけで幸せなはずなのに
いつか別れがくるかもしれないという恐怖に
耐えられないだけ
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あれから、会う機会は減っていた。駅前の喫茶店で、久しぶりに会って、うれしくてたまらない。
「美緒……好きだよ」
って、言ってくれたとき、本当は私も好きって言いたかった。けど、言えなかった。

そんな時、彼の携帯が鳴る。飲みに誘われてるみたい……
「私なら大丈夫だよ。」
自分の分のお金を置いて、店を出る。この間の人と、他に何人かいて……あぁ……この人達に誘われたんだと気付く。
支払いをした彼が出てきた。
「おい……何……言ってんだよ」
「あの人達に誘われてるんでしょ?行っていいよ。私は帰るから……」

心の中に消えないトゲ……大切にしてくれてる……なのになぜ?消えない……なぜ?こんなに不安になるんだろう……

一緒にいられるだけで幸せなはずなのに……いつか別れがくるかもしれないという恐怖に耐えられないだけ……




私はやっぱり彼が好きだった
私は信じたかった

ゆらゆら揺れて
行き場をなくして
揺さぶられる気持ち

あいまいな関係……
彼は幸せなの……かな?

自分の気持ちとしっかり向き合って決断する
彼の隣はもう私の居場所ではない
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心の中のトゲが消えないまま……揺れる想い

「美緒が最近元気ないのは、アキラのせい?」
何も言えなかった。アキラは、和くんの親友なんだから言えない……よ。
「慰めたいって思った。俺じゃ頼りないかもしれないけど、頼ってよ……」

その時、インターホンがなる。タイミング悪い
またあの人だ。他に2人女の子がいた……
「彼と別れてください。この子が何も言わないからって、いつまでもつきまとわないで……」
どこかで……こうなるのを予感していた。
「もう会わない……って、言っといて……悪いけど、帰ってくれないか」
和くんがそう言って、彼女たちを追い返す

「美緒が元気ないのは、あれが原因なのか?」
うなずくしかなかった。
「アキラなら、浮気なんてしないと思ってたのに……アキラのことだから何も言えなかったんだな。アキラを信用できる?」

悩んで、自分の気持ちとしっかり向き合って決断する。

「……もう……信じられない……」

別れのメールを送る。
「今までありがとう。私、もう大丈夫だから……1人で生きていけるから……もう会うのは、やめよう。」
彼は本当はいい人だった。だけど、私だけの人ではなかったんだね。隣は私の居場所ではない……

電話が鳴る。けど出れなかった。代わりに和くんが出てくれた。私から離れた所で話してた。

「美緒……美緒には俺がついてるから……頼ってよ。」
優しい和くんが友達を失うのは、ダメだよ。もう頼らないって決めた。










彼女が会ってくれなくなったのは
俺のことで悩んでたからなんだ

苦しめてごめん
だけど俺も苦しい

別れは突然……に
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美緒と会えなかったのは、美緒が忙しいだけだと思っていた。会社の人と遊ぶべきじゃなかったんだ。告白されたけど、断ったからもう終わったことだと思っていた。こんな結果になるなんて、思ってもいなかった。

美緒から、変なメールがきた。電話したら、出たのは和だった。やっと理解できた。
「和が何て言っても、美緒を手放す気なんかない。」
「俺じゃない。美緒が別れを決断したんだ。」
「俺のせいかもしれない。でも……」
「お前のせいだし……もう……美緒が傷つくのは見たくないんだ。」
そして、電話を切られた。


私は心配してもらう価値もない

胸がザワザワする
なんだか怖い
何かがかわりはじめた

好きって気持ちに嘘はなかった
だけど2人の気持ちはすれ違ってしまった
ちゃんと考えないと……
もう二度と同じ過ちをおかさないですむように……

助けを求めた相手……は……
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ひとつの出来事で全てが変わっていく。

あとで気まずくなるのはわかっていた。なのになんで、あの時あとさき考えずに付き合ってしまったんだろう。他人だったら別れたら、それで終わりなのに……バカな私……

私がここにいたら、和くんがアキちゃんと友達を続けていけなくなる。もうここにはいられない。家を出ることにした。だけど、どこにいけばいい?会社も知ってるし、今のままってわけにはいかなくなる……

もう取り返しがつかない。

どうしたらいいの?助けを求めたのは……パパだった。
「……そうかよ……なんで、美緒ばっかりこんな目にあうんだろう……な……」
「ごめんなさい。こんなことに巻き込んで……あきれている?」
「そうだな……男運のなさにあきれてる」
「そうだよね。迷惑だよね。1人でなんとかする……」
「あきれてるけど、なんで俺に連絡してきたの?」
「パパしか思いつかなかった……」
「頼りにされてるんだってわかって、うれしかったよ。」
鍵を渡された。
「これ……は?」
「いつか一緒に暮らせたらなと思って、部屋を借りてたんだよ。今度こそ、一緒に暮らそう。仕事は、家でやればいいよ。」
「迷惑じゃない?」
「迷惑なもんか。俺と美緒は生きてる限り永遠に消えない絆がある。もっと頼ってくれていいんだよ。」

美緒は、新しい生活を始めた。