オレの方が相手にされてないと思ってて
こんな弱腰でいると他に男ができるかもと
不安だった
誰にでも優しいから
やきもち妬いてほしかった
ずっと不安で……
オレばっかり好きなんじゃないかって……
だからいつも不安だった
もっと嫉妬しろよ……
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高2冬……瑛太
バイト先で知り合った彼女。恥ずかしかったり、不安だったりするけど、ちょっとだけ勇気を出した。素直に行動してみたら、もっと近くになれた気がした。
付き合い始めたけど、自信ないな……お互いまだ知らないことばかりだけど、少しずつ知っていけば大丈夫だよね?気持ちがどんどん膨れあがっていった。だけど、オレばっかり好きなんじゃないかって不安なんだ。
そんな時、バイト先に彼女のクラスメートがきた。同中の子だった。
彼女にやきもちやかせてみたら?って言われて、わざと仲良くして、やきもち妬いてほしかっただけなんだ。
だけど、全てが崩れていった。
これからも一緒にいられると思っていた。それなのに……別れを告げられた。
私……もしかして……
あなたのこと好きなのかも……
どうしよう……
こんな風に気づくなんて……
あなたと幸せになりたい
だから頑張る
好きになってほしかったから
何かをするためには
犠牲が必要だよね
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高2冬……理沙
同中の……中学の時好きだった瑛太と再会した。もう二度と出会わなければ、完全に忘れて新しい恋に迎えるのに、なんでまた会っちゃうんだろう……この気持ち早く忘れたかったのに……昔と全然変わってない。爽やかでかっこいい
片想いはこれから……これから……
瑛太が付き合ってしまった。クラスメートの子と……だから、提案したの。彼女にやきもちやかせてみたら?って
そのために仲良くして……それだけでも嬉しかった。
瑛太の全部が好き。ぎゅっと手を握りしめた。瑛太とずっと一緒にいられるなら、誰を好きでもかまわないっ……どうしても手に入れたい。ダメ……ダメ……だよ。こんなの……引き返せなくなる。だけど、ずっと……ずっと……心の中で思ってきたことだ。
卑怯だって言われてもかまわない。瑛太と一緒にいられるのなら……
美緒が友達と出かける約束していた。だから、そこに瑛太と行った。どうなるんだろう……
ずっと想い続けた子を見つけた
これは運命だって
グワッーって気持ちに火がついた
会うたびに膨れあがっていった気持ち
ドキドキしながら彼女を見つめた
彼女に恋人ができた時
一度は諦めようと思ったけど
結局は諦められなかった
今も想い続けてる
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高2冬……浩
中学の時好きだった子に再会した。運命だって思った。だけど、何も言えなかった。何も変わらなかったけど、彼女が働く喫茶店に通った。ただ見つめていた。
想い続けているうちに、美緒は喫茶店で一緒に働いてる男と付き合い始めた。それでも、諦められなかった。
今日も喫茶店に行った。あれ、美緒がいない。休みなのかな?と思っていた。だけど、新しいバイトの子が……なんでこの子が?何度か話したことがある子に聞いてみた。美緒と付き合ってたヤツが、コイツと二股にかけていたことを聞いた。なんてヤツだ……
アイツが美緒を泣かせるなら、俺が無理矢理にでも奪ってやりたい。また、あの時のような想いをするのは、もういやだ。
今度こそ、美緒に想いを伝えたい。
もう彼なんて作らないって思っていた
絶対に好きになるはずないと思ってたのに
あなたに出会って……
いつの間にか……私……
でも前と同じになりたくないから……
あれから1年たったのに
まだ引きずってる
情けなさすぎる
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高3冬……美緒
1年前、彼と別れてから……別れるくらいなら、恋とかしない……って、ずっと思ってた。1年たったのに、まだ引きずってる。
あのあと違う喫茶店でバイトしている。お客さんで気になる人がいる。笑顔が素敵なの……中学の時に好きだった人の笑顔に似ていた……
昔のことは忘れるって決めたのに……まだ忘れられないでいる。今も好きとかそういうことじゃないんだ。恋をするのが怖いんだ。
ずっと……彼女だけを見てきた
彼女が他の男を見てる間も……
ずっと……
一番大切な言葉……
伝えたかったのに……
素直になれなかった
伝えたかった気持ち……
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浩……中学の時の苦い思い出……
美緒ちゃんと話していたら、クラスメートにからかわれ
「こんなブス好きじゃない」って、言ってしまった
からかわれて、恥ずかしいとか、そういうことじゃないんだ。一番大切なことを忘れていた。美緒ちゃんの気持ちを考えてなかった。泣かせたくないって思ってたのに、泣かせてしまった。
ずっと謝りたかったけど、結局謝れなかった。そして、他の子と付き合ってるって噂されたこともあった。何も話せないまま卒業……
高校になってから、身長ものびて、ラグビーをはじめて体型もがっちりして……再会してすぐに俺は気づいた。だけど美緒ちゃんは、全く気づいてない。昔、見られなくなった笑顔が見れてうれしかった。美緒ちゃんの笑顔にズキューン……ドキドキする。
彼氏と別れた後……俺にできることってなんだろう?って思っても、何もできなかった。
喫茶店を辞めてしまい、つながりもなくなったけど、また見つけた。だけど、俺達の関係は進展なし……
あの時のように嫌われたくなんかないから、今度こそ、失敗しないように慎重に……しないと……必死に気持ちを抑えた。
どうしたらもっと……
バカだ……オレ……
あの日のことも忘れて
今さらになって
彼女が好き
もう遅いよ
あれから会ってない
久しぶりに会えて……
あの日の恋の続きを……
もう二度とは戻れないんだ
過ち……あの時には戻れないんだ
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高3……瑛太
1年前、付き合ってるって人がいたけど、別れた。
友達と思ってた子に
「私のこと見てよ。ずっと好きだったのに……っ」
って、泣かれた。
友達と思ってた子の涙。泣き顔が忘れられなくて、付き合い始めた。だけど、付き合えば好きになれると思ってたのに、好きになれなかった。色々とかみあわなくて、やっぱり美緒しかいない……
喫茶店でバイトをしていると聞いていたので、いった。やり直したかった
もう最後にするから、思い切って聞いてみた。
「また美緒と会えて嬉しい。今度こそ俺と一緒にいてくれよ。あれは浮気だって言ってるだろ?いいかげん忘れろよ。あの子とは別れた……から。好きって言ったら、迷惑かな?」
「好きだった……よ」
「なんだよ……それなら……」
「ううん……好きだった。あの時は……でも、信じられるわけないでしょ?あれは瑛太くんが自分で選んだことだよね?また付き合うなんて……できないよ」
俺のことをちゃんと考えてくれてたのに、俺はなんてことを……
「ねー、俺のこと嫌いになった?」
「嫌いじゃないけど、もう好きって気持ちはないの。佐藤くんなら、すぐに彼女できるよ。」
って、笑顔で言われた。もう名前で呼んでくれないんだ。
ケジメつけられちゃったな。強くなったんだな。
違う……か。美緒は弱そうに見えて、強いんだな。
どれだけ後悔しても、あの時には戻れないんだ
変わってない……何も……
大好きなまま……
私だけを好きになってくれる相手がほしかった
だけど突きつけられたのは……
思いがけない現実
こんな時どうすればいいの?
なんだろう……この気持ち……
体の奥から何かが沸き上がってくるような
初めての気持ち……
やっぱりまだ好き
私じゃダメなの?
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高3冬……理沙
好きだった。だけど、いつも美緒の話ばかり……
「美緒の話しないでよ。美緒のこと考えてんのやだ。そんなの絶対にいやだ。お願いだから、私のこと好きになってよー」
「それでいいから、付き合ったんだろ?」
ずるい……そんな言い方……
「ひどい……」
「ひどい?どっちが?美緒のこと好きでもいいから、付き合ってって言ったのお前だろ?」
一緒にいるのに、まだ美緒のこと好きなの?もっと……もーっと……好きになってもらう……って思ってたのに……一緒にいたとしても、心を通わせることはないんだ。
こんなに振り回されるのも、あなたにしかならない。あなたのいいなり。
今までたくさん嘘をついてきた……本当は気づいてほしかった。私だけを好きになってほしかったよ……でも、結局別れちゃった
「私のなにがいけなかったのか、さっぱりわからない」
「猫かぶってんのばれたんじゃないの?」
「まさかー、完璧よ。」
「本性がばれて別れるよりよかったんじゃないの?」
あの子に会いに行ってる。やっぱりまだ好きだったんだ。むかつく。なんであんたがもてるの?
思い出したくなかった過去
今頃……あんな過去……
誰だって辛いことはある
冷静にならなきゃ……
私みたいな女は1人でいるのが
一番幸せなんだ
うん……そう……
きっとそういうことなんだ
彼には好きな人がいるみたい
恋ってうまくいかないね
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美緒……中学の思い出……そして、現在
新しいバイトが入った。理沙だった……なんで?
休憩室で……
「瑛太と別れたんだ。だから、前の喫茶店辞めたの。まさか美緒が働いてるとは思わなかったわぁ……」
「そう……なんた……」
「もしかして、瑛太とより戻したいのー?」
「いえ……それはない……けど……」
「ねぇねぇ……あそこの積の人……好きなの?」
気になってる人を指さした。何も言わなかった……
「そうなんだぁ……でも、やめたほうがいいわよ。友達と話してるの聞いたんだけどー、あの人好きな子がいるんだってー。初恋の相手で、何年も片想いしてるんだってー。残念だったねー。」
他のバイトの子もきた
「そうなんだー。私も狙ってたのに、残念。」
彼……人気あったんだ……
「美緒ちゃんって、中学の時、好きな人からこんなブス好きじゃないって言われたの?」
思い出したくなかった中学の思い出……
「好きな人じゃなかったけど……」
これ以上話していたら、涙が出そう……
「ブスなのに、彼を狙うとか……いい気になんなよ」
「ブスのくせに、彼になれなれしく話しかけんなよ」
怖いんだけど……
そんな時、バイトリーダーの人がきた。
「何騒いでんの。」
理沙が「桜井さんが、私の元彼のことで……」と、泣き出した。私……何もしてない……のに、2人に話を聞いた後
「桜井さん、ちょっといいかしら……」
「他の人と仲良くできないの?」
「そんなことは……」
「新しいバイトも入ったから人も足りてるし、辞めてもらっていいかしら?」
「わかりました。今までお世話になりました。」
美緒は何も悪くないのに……バイトを辞めることになってしまった。隣の男子の休憩室で聞いていた人がいたのは、この時は知らなかった。
俺は不器用ながらも
どこかに本当の恋が落ちてないか探してた
目標を見つけると人は幸せになれる
目標を持ち続けることが大切
だけど目標を見失いかけた時
彼女に出会った
本当のオレを見つけてくれた
うれしかったんだ
おかけで元気が出たよ
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21才……大輔
パティシエになって、3年……
イケメンパティシエとか言われて、雑誌に載った。店も人気が出たけど、頑張って作ったケーキよりも、イケメンってことばかりがとりあげられ、ケーキのことなんて……自信をなくしていた。
もう辞めようかと思って、店長に話しに行こうとしていたんだ。ちょうど、バイトの面接をしていた。なんとなく聞いていたら、志望動機が「ケーキが美味しかったから。」「そうなんだ。どれが美味しかったの?」どうせ……ケーキのことなんて、いえないんだろ……ひねくれていた「モンブランが一番美味しかったです。コンビニで買うのと違って、すごく美味しかったです。」ちゃんとケーキ味わってくれてたんだ。
あれから、一緒に働き始めた。いつも一生懸命頑張ってるのを、見ていた。
22才……
隣の女子の休憩室での話が聞こえてきた。
美緒ちゃんが色々言われていた。女って、こえー……って思っていたら、バイトリーダーがきた。これでおさまるのかと思っていたのに、美緒ちゃんが辞めるように言われていた。
店長に聞いたら、美緒ちゃんが問題起こしたから、辞めてもらうことになった……って、なんでだよ……美緒ちゃんは何もしてないのに……
「美緒ちゃんは、何て言ったんだよ」
「わかりました。今までお世話になりました……って」
見る目のない奴らばっか……
「そうなんだ。じゃ、俺もやめるわ。」
「何言ってんの……あんたがやめたら……」
「パティシエは俺以外にもいんだろ……じゃ」
駅に向かって歩いてる美緒を見つけ、声をかけた。
「大輔さん、仕事中なんじや?」
「美緒ちゃんバイトやめんの?」
「もう聞いたんですね。」
「俺も辞めてきちゃったんだよね。」
「え、なんで?」
「休憩室での会話聞いていたんだ。あれで美緒ちゃんがやめさせらるなんて、納得いかないから。」
「聞いてたんですね……」
「なんで言い訳しなかったの?」
「私は悪いことなんてしてない。だけど、信じてもらえなかった。あそこで言い訳しても、変わらないと思ったから……なんで、泣いてる方をしんじちゃうんだろう……」
「本当……見る目ないよな。俺、誘われてる店あるから一緒に行かない?」
「ありがとうございます。でも……」
「もしかして、迷惑だった……かな?」
「そんなことはないです。うれしいです。」
「でも、今のとこみたいに人気の店じゃないけど……」
「大輔さんが作ったケーキ食べたら、人気でますよ。」
相変わらず、嬉しくなる言葉を言う子だな。彼女がいれば頑張れる。
そして、2人で友人のやってる店に移ったんだ。