今まで生きてきてわかったことがある
とにかく笑ってないとダメだってこと
笑ってれば誰かが助けてくれる

今の私は……昔の私じゃない
それでも優しいあなた……

やっぱり笑顔じゃないとダメなんだ……
___________________________________________
今まで色んなことがあった。それでも、生きていくしかなかった。笑顔でいると、誰かが助けてくれる。人の優しさに支えられて、ここまできた。

でも、このままでいいの?

和くんに電話がかかってきた。聞こえてきた会話……
「最近付き合い悪くなったな……」
「ごめん、また誘って……」
やっぱり私……邪魔なんだろうな……子供の頃とは違う……

「心配しなくても、うちにいていいから……な」
って、言ってくれるけど……
「美緒……笑ってなよ。すげーかわいいんだから……」
かわいいなんて初めて言われてうれしかった。でも、やっぱり笑ってないとダメだってこと……なんだ……

嫌なこともいっぱいあったけど
これも私の生活の一部なんだ
代わりのない私だけの人生

嫌なこともあったけど
幸せなこともあった

心に向き合う
思い出になっても忘れないように
会えない日も大切に生きていこう

いつかはこの関係も変わっていくってわかってる
でも今はこのままでいいなら……
この温かな日々
幸せな日々を守りたい
___________________________________________
兄と暮らす日々。だけど、また今までのように……

1人になると、色んなことを思い出して、寂しくなった。人気のない、近所の公園のベンチ……ただ涙が出てくる。

「キミ……どうしたの?」
「な……なんでもないんです……」
誰かに声をかけられた。でも、涙で顔がわからない。男の人みたい……
「何があったかわからないけど、泣いてる人をほうっておけないよ。」
知らない人の前で恥ずかしい……
ギュッと抱き締められた彼の胸が広くて、心地よくて……
すがる胸があたたかくて、離れられなかった。

まるで子供をあやすように、頭をポンポンとたたかれた
「体が冷えてるね。コーヒーでも飲む?」
公園の自販機で、あったかいコーヒーを買ってきてくれた
あったかい……心にまでしみわたるあたたかさ……
「ありがとうございます。もう大丈夫です。」
涙をぬぐい、立ち上がり、家へ向かった。


彼女といるときだけは
愛されてる気がする

彼女はいつだって
ギブアップしない強さがある

まっすぐな気持ちが
くすぐったいけど心地よくて

きっと彼女がいてくれたら
幸せになれる気がする
___________________________________________
父親の浮気……母親の死……祖母の死……美緒は、今までどれだけ辛い目にあってきたんだろう……それでも、笑顔でいる。俺を頼ってくれたことがうれしくて、一緒にいる時間がうれしくて……

だけど、美緒はどう思ってるんだろう?愛は感じるけど、遠慮しているのも感じる。

美緒といると、心が洗われていくみたい。

「美緒、仕事休みだからどこか出かけようか?」
「え?いいの?」
「どこか行きたいとこある?」
「どこでもいいよ。」
女の子に人気のカフェに連れて行ったら、喜んでくれた。調べておいてよかった。
「こういうとこ……彼女ときたほうが……」
「彼女いないから……」
父親の浮気相手のこととかあって、女の子を好きになれなかった。だから、今まで付き合ったこともない……んだ。

今まで会えない時間を埋めるように、一緒に過ごす。あんなことさえなければ、こんな時間をもてたんだろうな……あんなことがおきる前に戻りたかった。

「不安になることなんてないよ。大丈夫だよ。美緒と一緒にいて楽しいから……さ」
「わかってるけど……」
一緒にいてくれる……それって、こんなに幸せなことなんだね。

仕事も、家も決まらないで、ずっと一緒にいてくれたらいいのに……

どんなにがんばってもダメなこともある
それでも幸せなタイミングをのがさないで……

いつも誰かが私を守ってくれてた
だから今度は私があなたの不安を消してあげる

色々寂しい想いをしたけど
いつのまにか……私……
あなたとの生活が……
大切になった……の
___________________________________________
まだ仕事も、家も決まらないで焦っていた。だけど、兄との生活に幸せを感じていた。

いつも誰かが助けてくれる。私って、1人じゃ何もできないんだ……なんだか情けなくなる。

私の幸せの裏には、誰かの優しさがある。だから、不安なこととかあったら、私が……何かできるかな?でも、いつも完璧な兄……何で同じ兄妹なのに……こんなに違うんだろう……

「私……ここにいていいの?邪魔じゃない?」
「俺と一緒にいろっ。兄妹なんだから、遠慮なんかすんなよ。」
「でも……周りの人とか……」
「周り?周りなんか関係ないんだよ。兄妹の繋がりは、一生変わらないんだから……」
気持ちを受け取っていいの?優しさに甘えていいの?
「今まで色んなことがあった。だけど、和くんがいてくれてよかった。」
笑顔でいたかったけど、涙が一滴こぼれた。





怖いくらい覚えてる……んだ
いつも元気で明るくて
いつもオレに優しくしてくれて
ずっと一緒にいてほしかった

でももう会うことも……なくなるの……か……
彼女はもう忘れてしまってるかもしれないけど
1人じゃ……苦しくて……辛くて……
___________________________________________
美緒が出て行った。昔のこととか、色んなことを怖いくらい覚えてる……思い出して、苦しくて……辛くて……会社にも行かずに、美緒を探し回った。

あの時、父親に呼び出されて……行くんじゃなかった。お見合いって……もちろん破談になったけど……家に帰ると、美緒が消えていた。待っていたのは、母だった……

「これも、会社のためなの……わかって……」
「会社のためなら、幸せを諦めなきゃいけないの?それなら、会社なんていらない。」
「な……何……言ってるかわかってるの?」
「わかってる。もう会社も辞める。」

前にもこれからもずっと一緒にいたいって言ったのに、信じてもらえなかった……信じてくれるなら、いくらでも言うよ。けど、信じてくれないなら、何でもいいから俺の方を向いてほしかった。必ず探し出すから、待ってろ!

いなくなって寂しい……会いたい……俺には美緒が必要なんだ。1人じゃないって思えたから……
先のことはわからないけど……

今……幸せ……かも……

今まですれ違ってた
逃げ場のない……想い
ゆくえは……
___________________________________________
美緒が家の掃除をしていると、誰かがやってきた。え……まさか……もう会うことはないと思ってたけど、会いにきてくれてうれしかった。迷惑かけたのに……バカみたい。うれしい……なんて

「逃がす気はないから、もう逃げ回るのはやめたら?」
「お見合いするんじゃなかったの?」
「うん、させられたね。」
「だったら……」
「断ったけど……ね」
「え……」
「会社のためにとかありえない。いなくなってしまったけど、彼女だけなんだ。一生に一度の恋だった。」
「ママのことを……そんなに好きだった……んだ」
「浮気をするような男と一緒にするなよ。美緒も、いつかそんな恋をしたら、わかるよ。」
「でも、会社のことは……?」
「会社の犠牲になんかなりたくないね。そんな会社いらない。だから、会社も辞めて、美緒を探し回ってた。」
「私のせいで、そんなの間違ってる」
「間違ってなんかない」
「でも、まだこれから……」
「これからなんか関係ないんだよ。今、俺がしたいことをする。今、幸せになりたい。今までの仕事を無駄にはしたくないから、会社を作ることにしたんだ。まだまだこれからだけど、手伝ってくれないか?」
「私でいいの?」
「美緒がいい。違うな。美緒じゃないとダメなんだ。」
そんなに私のことを気にかけてくれてたの?

そこへ、兄が帰ってきた。
「お前……何しにきたんだ」
「美緒に会いにきた」
「美緒を追い出したくせに……ふざけんな」
「母が、美緒にひどいことを言ったのは、申し訳ないと思う。でも、俺は追い出したりしない。」
「お願いだから……やめて……」
「美緒……美緒はこれでいいのか?」
「私は……信じてるから……会社を始めるなら、手伝ってあげたい……」
「会社……?」
「会社作ることにしたんだって……」
「そうか……なんでもいいから、幸せでいてくれよな。」
私は……すぐに答えられなかった。私の幸せ……って……
「うん……でもね……まだ家は見つかってない……の」
「それは、ここにいればいいよ。」
「でも、そんな……迷惑かけられないよ」
「会社作ることにしたって、まだまだ大変だろ?それなら、ここにいればいいよ。仕事が順調になったら、その時考えればいいよ。」
「また、うちにきてもいいよ……」
「会社作る時に、美緒までいたら、大変だろ……ちゃんと考えろ……」

なんとなく……未来が見えてきた……ね




2人から離れられなかった
2人は私をずっと見てくれていた
私に愛をくれる

何もない私を見つけてくれた
いらないって言われるのはイヤだ

先のことは置いておいて……
心が楽しめと言っている

過去は変えられないけど
未来はいくらでも変えられるんだよ
未来の私には幸せでいてほしいから
未来は私の中にあるんだから

明日を作るのは……
今日の私……過去の私……
毎日の積み重ねが……
明日へとつながる

明日のために今を大切に……
未来に不安になることもあるけど
未来に希望をもってる
___________________________________________
これからのことはわからないけど、希望を抱きながら……

何を迷ってるの?心に従えばいいんだよ。どうしたらいいの?

優しい2人から離れられなかった。1人になりたくなかったから……もう、後悔はしない。

幸せな明日を信じて、今を精いっぱい生きる。

いつも……お前ってほっとけなくて……
何も……気づかないし……
真実の愛を探す

眼が追っちゃってる時点で……
元気な笑顔を見てるうちに……
お前のことを……気になり始めていた

心に余裕がなくなる
そろそろ恋に答えを出したい
___________________________________________
雅樹……

高校からの友人と遊んだ時に、たまに妹を連れてきた。笑顔があふれる彼女……あの時から、ずっと気になっていたんだ。親が離婚して離れて暮らしてたはずなのに、最近一緒に暮らし始めたらしい。

前よりも一緒に遊ぶようになった。だけど、俺の気持ちには全く気づかないし……「はぁ……」ため息をつくと……まっすぐな瞳で……「ため息はだめだよ。幸せが逃げちゃよ」って、言われた。

俺は幸せだよ。美緒ちゃんと一緒にいられるなら……そろそろ恋に答えを出したい……







かわいい妹みたいな存在
だけど妹なんて思ったことない
オレの中では1人の女の子

あの子に彼がいないなんて奇跡だろ?
あふれる恋心
恋って難しい……
___________________________________________
どうしても気持ちをつたえたくなった。

美緒ちゃんに連絡する。家にいるって聞いた。
「今すぐ会いたい。家で待っていて……」

友達の妹だし、告白するまでにどれだけ葛藤しただろう?それでも、伝えたくなった。あふれる恋心……
「美緒ちゃんが好きだ。付き合ってくれ……すごい好きだから、彼女になってくれる?」
「私も好きだけど、お兄ちゃんが2人できたみたいで…」
やっぱり……兄貴と思われてたんだね。美緒ちゃんを妹なんて思ったことないのに……悔しい。
「これから、美緒ちゃんの視線……少しでも……分けて?俺を嫌いじゃないのなら……」
「どうして私を選んでくれたの?」
「選んだわけじゃない。仕方ないだろう?一目惚れだったんだから……」
抱き締めたい……って思った。