恋って素敵だね
キミがいてくれたら
どんな時も乗り越えていける気がする
キミがいてくれたら
がんばれる
キミといる時は幸せ
オレはすぐに舞い上がっちゃう
期待しちゃう
これからが楽しみだね
幸せだけど悩みは尽きなくて……
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今まで仕事で一緒にいたけど、2人の関係はかわった。
仕事が終わってから、2人で帰る。初めてのデート。つないだ手を離さない。ただ一緒に帰るだけ。それでも幸せだった。でも、俺の方が美緒を好きってわかってるから、不安になる。
前とは違って、今は美緒って呼んでみた。
「美緒……」
「ん?なーに?」
「美緒が好きになってくれた俺のままでいられてる?」
「ウーン……前とは違う……かな……」
えっ……
「あの時は、憧れだったけど……今はもっと……もっと好きになったよ。」
少し頬を赤らめながら言う美緒。美緒しかいらない。だから、ちょっとだけ……
ぎゅっと抱きしめた。俺の胸に顔を埋める美緒。照れくさそうに笑った顔が……今まで見たどの笑顔よりも可愛かった。
ずっと彼女を作らなかったから安心していた
それなのに彼女を作った
告白できずに後悔していた
タイミングがわからなくて……
あの時勇気を出せたら……
このチャンスを逃したら後悔すると思った
一緒にいたのに私を見もしないで
あなただけが幸せそうにしてるなんて
許せないでしょ
なんで私ばっかり……
あなただってもっと苦しめば……
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バイトリーダー瑞穂……の後悔、そして……
大輔が好きだった。あの時、あの2人の策略にのった。大輔が美緒をみているのに気づいていた。私は大輔を見ていたから……だけど、告白できなかった。そんな時、美緒を辞めさせる作戦をたてていた話にのってしまった。美緒がいなくなれば、大輔との恋が始まると信じていたから……それなのに、大輔も一緒に辞めてしまった。2人が辞めてから、店も客がこなくなり、ついに閉店してしまった。2人が一緒に働き始めた喫茶店。私も行きたかったけど、もうバイト募集してないと言われた。それでも食いさがらず「あの子より、私の方がバイト経験長いし……」美緒を指差して言った。「美緒ちゃん、よくやってくれてますよ」結局、バイトできなかった。なんでよ……
美緒が就職して、バイトをやめると聞いた。やっと、一緒に働けると思った。思ったとおり、働けることになった。どれだけたっても、色あせない愛しい想い。これで、大輔に……告白すれば……
ウキウキしながら、バイトに行った初日……
マスターと大輔が話しているのを聞いて、愕然とした。
「大輔、ついに美緒ちゃんと付き合うのか……」
「なんで知ってんだよ」
「2人がデートしてたのを見たお客さんから聞いたよ。」
「見られてたのか……」
仕事終わりに店に美緒がきた。私の前で2人で楽しそうに話しているのを見て……
「何よっ……私をバカにして……」
「バカにしてるのは、お前だろ。」
バシッと、大輔の頬をたたいた。
「美緒なんてやめて、私と付き合ってよ。何してほしいか言ってよ。何でもしてあげるから……」
「何でもするんだ。だったら、2度と俺と美緒の前に現れるな。」
私……全く相手にされてない。
あの時のことがなければ、違ったのかな?本当に好きだったのに……きっと、あの時のことすごく怒ってるんだ。あんなことしなければ……
今度こそって思った人にまで浮気されて
自分が悪いとしか思えない
こんなことの繰り返しなら
もう恋なんてしないって思った
だけど恨めない
短い間だったけど楽しかったから
私はそれで十分
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仕事終わりに、美緒が喫茶店に行く途中……
瑞穂に声をかけられた。
「久しぶりね。あなたに話があるの。」
「え?話……?」
「そうよ……」
近くのファミレスに入る。
「話……って……」
「私……大輔と付き合ってるの。あなたは大輔を好きなの?私は大輔を愛してるわ。」
2人が喫茶店で一緒に働いてるのを知ってから、イヤな予感はしていた。あのよそ見もしない大輔が……それは浮気っていうより、本気ってことなのかもしれない……
「それなら、私じゃなくて大輔さんに……」
「大輔は、あなたのことほっとけないって……こんなことあなたに言うのは間違ってるかもしれないけど……」
ほっとけないのは、優しいから……?
彼は私に好きって言ってくれたけど、彼の好きはひとつじゃなかったんだね……
彼にメールした
「もう、会うのやめよう。色々ごめんね。幸せになって」
少しの間だったけど、幸せだったから……あなたが幸せになることが私の幸せだから……
すぐに返信がきた。
「別れたいって、言ってんの?」
ち……違うけど……本当は、彼から別れを告げられるのが怖かったから……
「うん……もう、ほっといて……」
こんなことばかりなら、離れるよ。離れて忘れるよ。
本当に私って……男運ない。
「もう絶対に彼には会わないから、彼を幸せにしてあげてください。」
コーヒー代の500円を渡して、席をたった。
会う時間が減ってしまったけど
オレのそばにいつも彼女はいてくれた
何があったの?
ねぇ……教えて……
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美緒が仕事を始めてから、会う時間が減った。だけど、今日は会う約束をしていた。ウキウキしながら、美緒がくるのを待っていた。だけど、なかなかこない……
携帯が鳴った。美緒からだ。仕事のびたのかな?とおもって、見たメール「もう会わない」今、メールの文字が理解できなかった。「別れたいって、言ってんの?」「うん」なんで急に……俺、なんかした?考えても、何も思い浮かばない。まさか、他に好きなヤツできた?
空を見上げる
私の心を映すような曇り空
空はあなたのいる場所につながってるのに
もう心はあなたにはつながってないんだね
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まだ付き合い始めたばかりだった。だけど、別れが訪れた
会社で仲良くなった同僚に話した。
「どうしました?」
「ううん……別に……」
「何もないように見えないけど……」
彼とのことを話した
「そんなすぐに他の人と付き合うなんて、おかしくない?美緒ちゃん……からかわれただけなんじゃ……」
「そうかも……相手の人……私も知ってる人だったから……」
もう最悪……これ以上からかわれないようにしよう……
「……やっぱり……からかわれてるだけだよ……」
気持ちもないのに……からかわれて……付き合っていたなんて、恥ずかしいーっ……恥ずかしくてたまらない。
こんなことで泣いてても、何も変わらない。今日という日は2度とはこない。未来の笑顔のために……もう泣かない
「話聞いてくれてありがとう。スッキリした。」
私は今日を生きる。だから一日一日を大切に……辛いときこそ、笑おう。ニコツと笑った。
あれ?なんで彼女ばっかり見てんだろ?
何悩んでるのかわからないけど
オレが知ってる彼女は……
初めて会った時から……笑顔だった
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美緒の同僚健太の気持ち
大学を卒業して、就職して、仕事の初日……
初めて会ったとき、笑顔の美緒を見た時、吸い込まれそうで目が離せなくなった。だけど、今日の美緒は元気がない
そばにいる理由がほしかったから、声をかけた。
彼に二股にかけられて、別れた話を聞いた。俺なら、もっと大事にするのに……な。
ニコツと笑った。めちゃめちゃかわいくてたまらない。クゥ……小悪魔……頭をポンポンとたたいて、「元気出せよ」って言うと、「ありがとう」支えてあげたくなる……
オレの未来を動かしていく
想いは変わっていく
愛なしではいられないから
キミなしではいられないから
目を閉じれば思い出すのはキミとの日々
あの時は1人じゃなかった
でももう戻れない
自分の恋と向き合う一日
悔しさがこみあげてくる
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いつか、自分の店を開くのが夢だった。その店を、美緒が手伝ってくれる約束だった。好きな子との約束。特別になれた気がして、嬉しかった。だけど、約束も果たせないまま、美緒はいなくなってしまった。
携帯で連絡がとれなくなって、気づいた。オレ、美緒のこと何も知らない。美緒の家すら知らなかった。
美緒が勤める会社は知っていた。だから、朝から駅で待っていた。知らない男と歩いていた。一緒に2人で会社に入っていく。美緒は……笑顔だった。悔しさがこみあげてくる。
そんな時、「私にしといたら?私はあなたが好きだよ」って言われて、失恋して弱ってる俺なら、簡単に落ちると思ってるだけなんじゃないの?って思いながらも……付き合いはじめた。
彼女といても切なくなる
前の恋が幸せ過ぎたから
彼女といても
恋人って感じじゃなくて友達
好きかどうかわからない
一緒にいるのに孤独を感じる
心が折れていく
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これでよかったんだろうか?美緒が男といるのをみて、悔しくなって、付き合いはじめた。だけど、切なくなる。心がバキバキと折れていく。感じるのは、孤独感……
「お前、美緒ちゃんと別れて、彼女とつきあってんだよな?全然……楽しそうに見えないけど……」
そうマスターに言われた。周りからもわかるくらい……
仕事終わりに、駅まで彼女を送る。手を繋ごうとした彼女の手を払いのけて、「俺に触るな。」と言っていた。美緒と手を繋いだ時は、ドキドキしてたのに……
誰も悲しませたくないけど
自分の気持ちに嘘をつくのはもういやだ
好きだから一緒にいたいんだ
だけどもう2度とは戻れない
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やっぱり、美緒を忘れられなかった。瑞穂に別れを告げることにした。
「私と付き合う約束でしょ?」
「やっぱり、美緒のこと忘れられなかった。」
「もうわかってると思うけど、あなたのこと好きだから、いつまでも待ってる……から」
「ごめん。もう無理。」
そして、美緒に会いに行った。美緒の会社の近くの公園。
「付き合ってくれませんか?」
「え?どこに?」
「違うんだ。もう1度やり直したいんだ……」
「彼女いるよね?」
「彼女とは、もう付き合ってない。別れたから……」
「彼女とは別れたからって……」
そこへ、瑞穂がやってきた。
「私は別れてなんかいない。美緒ちゃん……になんか渡さない。」
黙って聞いていた美緒の様子がおかしい。急に……
どこかに電話してる
「パパ……助けて……」
それからすぐに美緒の会社から、男の人がやってきた。美緒の父親とは思えないほど若くて、かっこいい男だった。
「美緒……大丈夫か?」
「ごめん。ダメみたい……」
それから、美緒をどこかに連れて行ったあと、戻ってきた
「もう、美緒に会わないでくれ。」
「でも、俺は美緒のこと……好きだから……」
「だったら、なんでその子と付き合った?」
「それは……」
何も言えなかった。
「今の美緒を見ただろう?美緒は強いショックや強い不安を受けると過呼吸を起こす。君達の存在は、美緒に不安を与える存在なんだ。だから、2度と美緒の前に現れるな」
「……あなたは、誰なんですか?」
「美緒の父親だ」
「どう見ても、父親には……」
「美緒の母親のことは聞いてる?」
「いえ……」
「ちょっと話が長くなるけど、美緒の母親は、美緒が中1の時に……父親の浮気が原因で離婚したんだ。その相手は、母親の友達だった。美緒の母親の幸せな家庭を壊すのが目的だった。その子がしたみたいに……」
「私は……そんなつもりじゃ……」
「いや、変わらない。美緒と付き合ってるの知っていたんだから……」
「そのあとは、1人暮らしをしていた祖母の家に行って、3人で暮らし始めた。その時は、母親が働きながら仲良く幸せな生活を送っていた。その時一緒に働いていた私と出会って、付き合いはじめた。年齢は離れていたし、バツ一子持ちでも関係なかった。美緒が中3の時、美緒の母親が妊娠したんだ。それが分かった週末……美緒が家で結婚祝いの料理を作ってくれていた。2人で婚姻届を持って市役所に向かっていた。横断歩道を歩いていた。その時、信号無視の車にはねられた。ぶつかる瞬間、彼女は私をつきとばした。車はそのまま逃走したけど、ナンバーを覚えた。彼女は血だらけで、最後の言葉は無事でよかった。美緒をお願い……だった。その知らせを受けた美緒は、あまりのショックに過呼吸を起こして、病院に運ばれた。あれから、ショックを受けると、過呼吸を起こすようになった。でも、そらだけじゃなかった。ただのひき逃げじゃなかった。あの時、車に乗っていたのは、父親の浮気相手だったんだ。離婚しても、幸せな生活を送ってるのが許せなかったって、身勝手な理由で……美緒は、母親を失ったんだ。私は籍を入れる日に彼女と生まれてくるはずだった子供を失ったんだ。あの日、美緒が初めてパパって呼んでくれたのに……」
何も言えなかった。
「美緒にとって、キミを好きでも、女が絡んだら……不安な存在でしかないんだ。」
あの時、嫉妬して……バカなことするんじゃなかった。もう2度と会えないなんて……本当に美緒のこと何も知らなかったんだな……
それなのに、いつも優しかった。