「その黒猫、痛いって言ってる」

1人の女の子が言った。

そう、小春だ。


今日も、また、僕は子供達の苛めに遭ってた。

「うわ、相川が来たぞ」

「まぁた、ワケ分かんねー事言ってる」

「コレが、何か言ってるって?」


…よく分かんないけど、辞めて欲しいな。

この子達がエスカレートしてる気がする。

火に油を注ぐくらいなら、中途半端な余計な助け船なんて出さないで、ほっておいて欲しい。


「痛いって、悲しいって、辞めてって、泣いてる」

そう言って、僕に近付いて、優しく頭を撫でた。


「大丈夫? 震えてる」

初めての、暖かい、手。


「こいつ、黒猫の仲間だ!」

「魔女だ!」