〝ちょっと話そっか〟

そう言った彼に続いて桜の木の下に座った


『そういえば、名前。俺、樹(イツキ)』


そう言って彼は木の棒で地面に名前を書いた


『私は美桜(ミオ)』


そう言って渡された棒で地面に名前を書いた


『美桜って、美しい桜って書くんだな。
美しい桜って美桜そのものって感じだな』


そう言って恥ずかしそうにハハッと笑った

なんだか嬉しくて恥ずかしくて
自分の顔が真っ赤になっていることに
気づいて膝に顔を埋めた


『おい、なんか言えよ、照れんじゃん』


そう言って私の頭をクシャクシャと撫でたその手はなんだか優しくて、

〝可愛すぎ〟

そう言って笑う彼を見れなくて
〝やめてよ〟と小さな声で言って笑った