さっき車で登ってきた坂道を
歩いて下っていた。
桜並木の下を歩くことは
とても気持ちよくて
とても心地よくて
歩いている足をとめて、
上を見上げた。
昼間に見た景色とは少し違くて
夕焼けに照らされていてとても綺麗で。
大きく伸びた幹の太い木に
たくさんの桜の花を咲かせていて。
風に吹かれて舞う花びらも綺麗で。
その全ての景色に目を奪われて、
『本当に、綺麗、、、』
なんて呟きながら、桜の木に手を伸ばすと
『すごいよな〜、ここの桜』
〝え?〟
そう思った思いは言葉に出たのか
私の中にとどまったのか、
自分でもよく分からないまま
声のした方を振り返った。