恍惚な表情で、紫織ちゃんが言った。

少しでも希望を持った私がバカだった。

気色悪い趣味を持ったこの館の主人が育てた理想の娘が、まともな性格をしているわけがなかった!


みんなが言うように、私はバカだ…。


「ふざけるな!

そのくらい、俺が料理すれば、もっともっと美味くなる!

それでいいじゃねえか!何が不満なんだよ!?」

「単なる好みよ。

私は、生きたまま食べるほうが好きってだけ」

「…お前、この前もこの館に来た男をそのまま食ったよな!?

調理は俺担当だろ!?どうしていつもいつも、そう勝手なことをするんだよ!」

「だから、好みだって言ってるでしょう?もう、うるさいわね」