昼休みの終わる頃。

5時間目の生物は移動教室で、私と揺花は理科室に向かっていた。



「舞奈、私トイレ行くから先行ってて。」

「ん、分かった。」



揺花と別れ、ひとり本校舎の階段を上る。



理科室は中学生の教室の並びの一番手前にある。

中学生ばかりが行き交う廊下を進んでいると、やはりここでも女の子達の視線を感じる。



(先生中学生に人気だからなぁ…)



小さく溜め息を吐いた時、



「南条先輩…ですよね?」



と、やにわに声を掛けられた。



切れ長の眼のショートヘアの子を中心に数人の女生徒たち。

いずれも知らない子だけれど、中学生のようだ。





「初原先生に手を出さないで下さい。」