「先生。」
眼を逸らしたままの先生に呼び掛ける。
「先生は、私に
『南条の夢を一緒に探す』
と言ったでしょう?
あれは、
『先生として』
言った言葉なの?」
先生の眉間が少し寄ったのが分かった。
ねぇ先生…
「違う」と言って─
暫しの重い沈黙。
少し俯き加減の先生の瞳は栗色の前髪に隠れて見えない。
それから先生がおもむろに口を開く。
こちらを見ることもなく…
「…そうだな。」
「!!」
教師と生徒でいい。
ただ先生が好きで、ただ傍にいたくて。
それだけでいいと思ってた。
でも…
ただ先生に逢いたい。
私が先生の『仕事』でなくなってしまったら
そんなことさえも許されないのかな…?
* * *