翌日の放課後。



揺花に先に帰ってもらい、私は図書室で自習していた。

自習と言ってもただの時間潰し。

5時を回って生徒が疎らになると私は静かに図書室を出る。



人目を避けるように向かう先は…



英語準備室。



一度そのドアの前を通り抜け、直ぐの非常階段からこっそり様子を窺う。

電気は点いているが話し声などはしない。



いる人は多分一人。



だとするときっと…



先生だ。



(よし…)



ひとつ深呼吸してドアをノックする。

コンコン…



「失礼します。」



引き戸を開けるとそこには…





はたして先生がいた。