先生との関係─?



「夏休みに初原先生に会いましたね?」



図書館に行ったこと…?



先生に眼を遣る。

一瞬視線が交わり、直ぐに先生が眼を伏せる。



先生…

私、何て応えたらいい…?



「…はい。」

迷ったけれど、嘘を吐いてもきっとバレてしまう。

そんな気がして私は正直に応えることに決めた。

悪いことをしているわけじゃない。



私の応えを聞いて岩瀬が続ける。



「その時校庭で初原先生と抱き合っていたというのは本当ですか?」



「え…」



そうだ。

「南条のために力になりたい。」

という先生の言葉に泣いてしまった私を先生が抱き締めてくれた。

広く、熱く、力強い先生の胸の中、寂しさも辛さも吐き出すように思い切り泣かせてくれた。

蝉時雨の熱い夏の昼下がり─