「ねぇ、先生。
その研究の話、聞かせて?」
「そんなの聞きたいの?」
そう言いながらも先生はどこか嬉しそうな声音だった。
「うん。」
「長くなるかもしれないよ?」
「うん、いい。」
「そうか…。じゃあ、何から話そうか?」
そう言って先生は学生時代の研究の話を聞かせてくれた。
話は難しいこともあったけれど、私が質問すると先生は「良い質問だね。」と言って丁寧に答えてくれるし、
先生がとても活き活きと楽しそうに語るので、私は先生の傍らで飽きることなくずっと聞いていた。
研究の話をする先生の瞳は宙の星を宿したようにキラキラと輝いていた。
それはやはりまるで少年のように…
そんな少年のような先生を見ていると、私もまた幸せを感じた。
いつまでも先生の話を聞いていたい。
いつまでもこんな先生を見ていたい。
いつでも先生が煌めいていられるように私に何か出来たらいい。
そして。
ずっとこうしてふたりきりで、時が止まればいいのに─