月曜日。

私は朝一番に英語準備室に向かっていた。

いつでも聞きに来ていい、と言う先生の厚意に甘え、分からない問題を聞きに行くところだ。

その為に敢えて難しい目の問題集をやって分からないところを作ったのだから。



私はスキップしそうになる脚を押し留めながらいそいそと廊下を進む。



「せーんせ。今いいですか？」



ノックしたドアをガラリと開け、準備室の中を覗き込むと…



そこには先生と、私たち３年生の英語担当兼学年主任の岩瀬がいた。

それぞれ自分の仕事をしていたようだ。



岩瀬は50代くらいのベテラン女性教師で、毎年３年生を担当している。

余計なことは喋らず淡々と授業をこなす。

無表情な眼鏡の顔は見るからにストイックな雰囲気で近寄り難い。

実は私の苦手なタイプの人…