(私と?一緒に?)



先生が一緒なら何でも出来そうな気がする。



でも…



そんな甘い思いを簡単には信じられないくらい私は既に傷付いていた。



「…そんなの見付けても、うち、親が認めないから。」

「うん。確かに10代の南条が何かやりたいと思ったら親御さんの許可がいるよな。

でもさ、本当に好きなことのためだったら何もしないで最初から諦めないでしょ?」



先生が少し顔を寄せ、私の顔を覗き込む。

先生の透き通るように輝く瞳に私が映る。



「例えば、まずご両親を説得してみようとか、条件を出してもらってそれをクリアしようと頑張る、とか、何かするじゃない。

まずね、そのくらい頑張ってでも手に入れたい大切なことを見付けるんだ。」



先生の瞳も声も優しく美しいのに、それは熱意に満ち満ちていた。



「南条がそうまでしてでもやりたいことを見付けたのに、ご両親がどうしても認めてくれない、もしそういう時は、」



優しかった先生の表情が一瞬きゅっと険しくなる。
そしてもう一度柔らかい笑みを湛えて続けた。