「そう言うにっしゃんこそ『可愛い子結構いるよ?』とか言ってよっぽどロリコン趣味だよね?」

つい嫌味がぽろっと零れる。



「俺?俺の好みは豊島先生だから。」

「産休中の?人妻だししかも妊婦じゃん!それはそれで問題でしょ。」

「美しい人はいつ何時も美しいんだよ!」

「馬鹿じゃないの?その挙げ句豊島先生の妹とかに手ぇ出さないでよ?」

「え!?」

「あ、初原…」

宇都宮先生が唇に人指し指を当てて見せる。



(あ、しまった…)

豊島先生の妹はうちの高校の2年にいる。にっしゃんはその存在を知らなかったようだ。

言わなきゃ良かったと思うも時既に遅しで…



「えっ!うちの生徒なの!?誰!?豊島先生に似てる!?」

にっしゃんが眼をキラキラさせて阿呆みたいに食い付く。



「はいはい、もうそこまで。」

宇都宮先生が掴みかからんばかりのにっしゃんと俺の間に割って入る。



「宇都宮先生、止めるんだったらもうちょっと早く止めて下さいよ。」

「ははは、悪ぃ。見てたら結構面白くって。」

「面白いって…」

     *  *  *