今日の顛末を思い起こして眼を伏せた時、俺の向かいでにっしゃんがデリカシーに欠けた発言をする。



「いや、うちのガッコ、マジで可愛い子結構いるよ?

南条も良いよなぁ。髪綺麗だし、清楚な感じで、いかにもJKと付き合ってんなーて実感しそう。」

「…そういう目で見んなって。」



南条をいかがわしい目で見られるのは甚だ忌々しい。

何せ南条は俺にとって神聖なものであるのだから。



「にっしゃん。腰掛けのお前と違って俺らはそういうの死活問題だから。」

宇都宮先生がたしなめる。



「そう言うミヤさんは神川でしょ?

可愛がってんのもろバレっすよ。」

にっしゃんが今度は宇都宮先生に絡む。

神川とは映研の神川揺花。南条の友人だ。



「何言ってんの、お前。

神川は─」



神川はただの生徒、そういう関係じゃない。

俺もにっしゃんもそういう応えを予想していた。



「神川は別格だから。」