「えっ!ホント?」
「うん。待ってて。」
クレーンとくまちゃんを見る清瀬くんの眼はとても真剣で。
思わず「ふふっ。」と笑ってしまう。
「あんま見んな。しくじる。」
「清瀬くんだって見てたもん、私のこと。」
「俺はいいの。」
清瀬くんは本当に2回で見事くまちゃんを取ってしまった。
「わぁ、凄い!」
驚く私の眼の前にくまちゃんを掲げて、清瀬くんがちょっと声を高くして言う。
「俺くまちゃん。よろしくね。
俺舞奈とずーっと一緒にいたいなー。ねぇ、鞄に付けてよ?」
「あはは!いいよ。よろしくね、くまちゃん。」
私は清瀬くんからくまちゃんを受け取り、スクバに付けた。
「いいなー、お前。舞奈と一緒に居られて。」
清瀬くんが指でくまちゃんをぱちんと弾く。
「くまちゃんを苛めないで。」
「へーへー。くっそ、俺もくまになりたいわ。」