みんなが詰めて空けてくれた席に清瀬くんと隣同士に座る。

席に座ると清瀬くんは再び私の手を取って自分の膝に乗せ、今度は両手で包み込むように握った。



(うゎ…恥ずかしいんだけどー…)



俯いていると周りの子たちが話しかけてくる。

「舞奈ちゃんどう?ユウト、良い男だろ?」

「こんなイケメンに告られたらそりゃ好きになっちゃうよねぇ。」

「えっと、あの…」

思わずたじたじしてしまう。



「ユウトはモテるけど、でも自分の方から告った子、多分舞奈ちゃんが初めてだよ。」

「え…」

「あー私もユウトの好きな子って聞いたことなーい。」

「確かに。いつも告られた子と『お試し』とか言って付き合ったりしてるけど、本気で付き合ってるってのは聞いたことないな。」



(そうなの…?)



清瀬くんって、女の子慣れしてるというか、どちらかと言うとチャラい印象なんだけど…



(誰でもいい、ってわけじゃ…ないのかな。)



隣の清瀬くんをちらっと見ると、

「うっせーな。余計なこと言うな。」

と頬を少し赤らめて彼らに向かって言った。



(!?)



こんな顔するの、初めて見た…

ちょっとだけドキッとさせられてしまう。