俺は南条の肩に手を回した。

華奢な肩。

こんな華奢な肩にどれだけのものを背負っていただろう。



南条の涙は更に溢れ、止まらなくなる。

ひとたび溢れた感情はもはや一人では抱えきれなくなっていた。



「先生…」



南条が俺の胸の中に崩れ落ちる。

俺はそれをしっかりと抱き留めた。



今日は俺が君の神であろう。

何を差し置いても君を苦しめる全てから君を守ろう。

君の吐き出した苦しみを全て俺が受け止めよう。



南条を抱き締めた胸が熱い。



この熱で君の涙が乾いたらいい。



南条の背に回した腕に力を込めた。

     *  *  *