しかしそんな予感とは裏腹に、社会の荒波とはなかなか厳しいものだった。

ご多分に漏れず、新社会人の俺はその洗礼を受けることになる。



初めての仕事、初めての知らない土地、初めての独り暮らし。

先輩の先生方は親切でいろいろ助けて下さるけれど、授業の他に研修も多く、残業もしばしばで時間も長い。

慣れない土地での慣れない生活も相まって、俺は疲労困憊していた。



とは言え、教師という仕事は相手は子供。

ともするとその末永い人生を、未来を預かっているとも言えるわけで。

ひとたび教壇に上がれば「新人だから」という甘えは許されない。

責任は重い。

しかも生徒達の前で悲愴な顔は見せられない。



にも関わらず生徒達からの評価は

「先生可愛い~」

で…



一生懸命やっているつもりなのに落ち込む毎日だった。