そして休みが明け、ようやくまた先生に逢える日が来た。

メールが楽しくてもやっぱり逢える方が良い。

先生の美しい髪や肌、大きく優しい手、煌めく瞳、甘い声が閃いては私の胸を揺さぶる。



「失礼しまーす。」

いつものように英語準備室を訪ねる。

手にはスクバと、それから洋服屋さんの小さな紙袋ひとつ。



ドアを開けると今日もそこに先生がいた。



「よ。」

先生が柔らかく微笑む。

「また分かんないとこあった?」

先生が手にしていた赤ペンのキャップを閉める。



「うんちょっとだけ。

あ、あとね、これ…」



持っていた紙袋を先生に差し出す。



「何?」

「この間マフラー借りっぱだったから。」

「あぁ。サンキュ。」

「私こそ。ありがとうございました。」



ぺこっと頭を下げた私から先生がマフラーの入った袋を受け取って、自分のデスクに置く。