「舞奈さんはいつも木苺シェイクなんですか?」
先生がちょっと笑いを堪えるようにして兄に訊ねる。
「あぁ、はい。
気に入ったものはエンドレスで食べ続けるんです、コイツは。
コーヒー飲みに行けば必ず生クリームたっぷりのウインナーコーヒーとかカフェモカだし、
駅向こうの行きつけのケーキ屋ではレモンのチーズケーキ一択だし。」
「夏は巨峰のタルトだもん。」
先生が堪えきれなくなってふふっと笑う。
「仲良し兄妹ですね。
舞奈さんから進路の件もお兄さんは応援してくれていたと聞いています。」
「いやぁ…」
兄がなぜか恥ずかしそうに頭を掻く。