「…明日からしばらく先生に逢えなくなるね。」

私が呟く。



大した期間じゃないだろ、と笑われるかと思ったけど、先生は優しい眼差しを私に向けて

「あぁ…そうだな。」

と応えてくれた。



それから私は帰る支度をしていたけれど、先生は何か思い立ったように、自分のデスクに向かい何か書いている。



「南条、これ。」



先生が振り返る。

その手には小さなメモが握られている。



先生が差し出したメモにはメアドと電話番号が書かれていた。



「先生、これ…」



「休みの間分からないことがあったらいつでも訊いて。

メールだから時間とかも気にしなくていいからさ、その、夜中とかでも。

メールじゃ難しいことなら電話してくれていいし。」



私は遠慮がちにそのメモを受け取る。

好きな人のメアドとか…

嬉し過ぎてうっかり涙が浮かぶ。