文化祭直前の木曜日。
いつもの時間、いつもの英語準備室。
ただひとつ違うのは、いつもは校庭から聞こえる部活の掛け声が静かなことくらい。
きっとみんな文化祭準備が大詰めでそちらに掛かりっきりなんだろう。
唯一風に乗って幽かに演舞の練習をするチア部の音楽が聞こえてくる。
「そろそろ帰るね。」
先生も生徒も文化祭にかまけてここに来ないのをいいことに今日はつい遅くまで居座って、
長文問題集の読み込みに没頭してしまっていた。
気付くと外は夜の帳が下り始め、すっかり生徒たちの声も聞こえなくなっている。
「あぁ。
俺も帰ろうかな。なんせ土日も出勤だしな。」
ワイシャツの上に羽織ったパーカーの相変わらず長い袖を捲って腕時計に眼を遣った先生が言う。
「そっか。先生は文化祭来るんだよね。」
「南条は…あぁ、高3は休みか。いいなぁ。」
いいことないよ。
先生に逢えないもん─
いつもの時間、いつもの英語準備室。
ただひとつ違うのは、いつもは校庭から聞こえる部活の掛け声が静かなことくらい。
きっとみんな文化祭準備が大詰めでそちらに掛かりっきりなんだろう。
唯一風に乗って幽かに演舞の練習をするチア部の音楽が聞こえてくる。
「そろそろ帰るね。」
先生も生徒も文化祭にかまけてここに来ないのをいいことに今日はつい遅くまで居座って、
長文問題集の読み込みに没頭してしまっていた。
気付くと外は夜の帳が下り始め、すっかり生徒たちの声も聞こえなくなっている。
「あぁ。
俺も帰ろうかな。なんせ土日も出勤だしな。」
ワイシャツの上に羽織ったパーカーの相変わらず長い袖を捲って腕時計に眼を遣った先生が言う。
「そっか。先生は文化祭来るんだよね。」
「南条は…あぁ、高3は休みか。いいなぁ。」
いいことないよ。
先生に逢えないもん─