「…ねぇ先生。

もしかしてわざと…そういう言い方して、る?」



私がドキドキするの分かっててわざと

『良い匂いする』

なんて言ってみせたとしか思えないよ…?



それに、昨日からの言動もなんか…



私が先生の表情を窺いながら訊くと、先生は少し首を傾げる。

そして、



「まぁな。

だって少しは意識してもらわなきゃいけないからな。」



「え…」




どういう意味…!!



「ほら!もう一回説明するからそれ見せて。」



混乱する私に先生は至って普通に言う。



「それとも何?ホントに後ろに立たないとやる気でないの?」

「だっだだだ大丈夫ッ!!」



先生が少し意地悪な笑顔でくすっと笑う。



ねぇ、先生?

今日の先生、いつもと違う…



ねぇ、先生?

何かあったの?



私もう、胸が苦しいくらいドキドキなんだけど…!?

     *  *  *