うるさいほど激しく鳴る胸を押さえてきゅっと眼を瞑った時、



「苺のお菓子食べてただろ?

学校にお菓子持ち込み禁止だよ、本来は。」



と、先生が私のおでこを人差し指でつついた。



「へっ!?」



驚いて眼を開けた私に先生は



「どうかした?」



と涼しい顔で訊いた。



「ど…どうもしないよ!」



先生はふふっと笑って私から離れると、隣の椅子に座る。




「南条聞いてないからもっかいやり直し。

あ、後ろに立った方が良かった?」



「え…」



「いや、いいです。」とはなぜか言えなくて口籠ってしまう。

あんなにわけ分かんないくらいドキドキしてしまったのに、実は私嬉しかったんだ…と思うと恥ずかしくなる。