コンコン…
「失礼しまーす…」
英語準備室のドアをカラカラと開ける。
部屋の電気が消えていて、代わりにいつも窓にかかるブラインドが今日は開けられ、
今日最後の茜色の陽光が部屋の奥まで射し込み、私の足元を紅く染めた。
窓辺に一人の影が佇み、空を見上げている。
逆光の中振り返った人影は先生だった。
「よぅ。」
先生が微笑む。
「こっち来て見ろよ。空すごい綺麗。」
私は部屋に入ってドアを閉め、おずおずと窓の傍に近付く。
「こっち。」
少し離れた所に立ち止まる私の腕を先生が引き寄せる。
(あ…!)
先生は見上げた空に指を指す。
「飛行機雲が何本も延びてんの。
それも全部ピンクで、すっげぇ可愛い。」
言われて私も見上げると、下層階のここから見える空は小さいけれど、茜色にピンクのラインのアンニュイなコントラストが絶妙に美しかった。
世界の全てを染めるような太陽の朱に暫し時を忘れてしまう。
「失礼しまーす…」
英語準備室のドアをカラカラと開ける。
部屋の電気が消えていて、代わりにいつも窓にかかるブラインドが今日は開けられ、
今日最後の茜色の陽光が部屋の奥まで射し込み、私の足元を紅く染めた。
窓辺に一人の影が佇み、空を見上げている。
逆光の中振り返った人影は先生だった。
「よぅ。」
先生が微笑む。
「こっち来て見ろよ。空すごい綺麗。」
私は部屋に入ってドアを閉め、おずおずと窓の傍に近付く。
「こっち。」
少し離れた所に立ち止まる私の腕を先生が引き寄せる。
(あ…!)
先生は見上げた空に指を指す。
「飛行機雲が何本も延びてんの。
それも全部ピンクで、すっげぇ可愛い。」
言われて私も見上げると、下層階のここから見える空は小さいけれど、茜色にピンクのラインのアンニュイなコントラストが絶妙に美しかった。
世界の全てを染めるような太陽の朱に暫し時を忘れてしまう。