「はぁ…」
もう一度溜め息を吐き、眼を瞑る。
「なんでなんで!?」
「え、何しに来たの!?」
その時やにわに教室の中が騒がしくなる。
(なんだろう?…)
そう思った時、
「南条さんいるー?」
とクラスメイトの声がした。
「私…」
顔を上げて立ち上がるその時。
私は前のドアに思いがけない人を見た─
(先生…!)
ドアから半身を出して室内を見ていた先生が私に気付き、爽やかに右手を挙げる。
(なんでここに…?)
私はおそるおそる教室の前に出る。
私をちらちら見たり、ひそひそ何かを言うクラスメイト達も怖くないわけじゃない。
でもそれ以上に私の中で何か変わってしまった先生に逢うのが怖かった。