「実はそれ、今日夜璃子に頼みたかったんだ。」
先生が言う。
「当日一泊南条泊めてやってくれないか?」
「えっ!?」
驚いて先生を振り返る。
「うちに?まぁ私が居ればいいけどね。」
「居てくれよ。」
先生が苦笑いする。
「昴の実家は?」
「大学からちょっと離れてるからな。
乗り換え2回だし南条一人じゃ移動が無理だ。」
「まぁそうね。」
夜璃子さん、先生の実家知ってるんだ…
私はカフェモカに乗ったふわふわのクリームをスプーンの先でつつく。
「昴もうち泊まりに来る?」
「!!」
カチャン!!
夜璃子さんの言葉に思わずスプーンをクリームの中に取り落とす。
でも動揺したのは私だけで、先生は冷静に返す。
「俺授業あるから。
てかそれが出来るくらいならお前に頼んでないよ。」
(泊まりに行くのが普通な関係…ってこと…?)
嫌な心臓のドキドキが止まらない。