「この子が昴の生徒さん?」
先生のこと、「昴」って呼ぶんだ…
「あぁ。南条舞奈さん。
俺の研究の話に興味を持ってくれて、外語大志望なんだ。」
「そう。舞奈ちゃんね。よろしく。」
夜璃子さんが美しい微笑みと共に右手を差し出す。
「…南条舞奈です。よろしくお願いします。」
その手をおずおずと握る。
先生の、彼女、かもしれない人の手…
そう。
今まであんまり考えなかった、いや、意識的に気にしないようにしてたような気もするけれど、
先生に彼女がいても不思議じゃないんだ。
だって先生は…
こんなに可愛くて優しくて頼りになって、素敵な、それも大人の男の人なんだから…