駅の構内を抜け、夕暮れの街。

ふと先生が私の手を離す。

その手を軽く挙げた先生の目線の先を見て、私はさっきまでのふわふわした妄想の世界を現実に引き戻される。



パンツスーツ姿のすらりとしたモデルのような綺麗な女の人。



黒髪ストレートの。



(!!)



先生のお友達って言うから勝手に男の人だと思ってた。

しかも黒髪ストレート…

先生の好きな…



胸がざわつく。



更に、女性は先生を認めると、



「Hi!昴ー!!」



と、抱き付いた。



「!!」



「止せ、夜璃子!ここは日本だぞ!!」

先生が女性─夜璃子さんを引き離す。



「あら照れてるの?久しぶりに会ったんだしいいじゃない。」

「久しぶりでもねぇだろ。」



久しぶりでもない…って頻繁に会ってるんだ…



どんな関係なんだろう?

先生と夜璃子さん…