「え、何?気になるよ…」
私は隣から不安げに先生を覗き込む。
先生の頬がほんのり紅くて、いつも以上に若く見えた。
合わせた視線はどこか甘いしとりを含む。
「?」
「…あ。
…ごめん。不安になるよな。
大したことじゃない。
その…
『南条の匂い』がすると思って…」
「!?」
「誤解するな!気持ち悪いとか言うなよ!!
その…お前いつも…ちょっといい匂いするじゃん?
それが今日ははっきりしてるから…」
(いつもいい匂いするって…!?)
私も自分の頬が熱く紅くなるのが分かる。
そんなこと思ってたなんて…
けど、先生の頬は更に紅くて。
そんなのを見てたらなんとなく『思春期男子』という言葉が脳裏を掠める。
女の子の香水に照れるとか…
(先生可愛い…)