「揺花、私も映研入ろうかな?」
「え?舞奈が?」
放課後の教室で、私の唐突な言葉に揺花が甚だ驚いた顔をする。
「高3で今から?」
「指定校推薦取ろうと思って。そしたら部活入ってた方が有利でしょ?
ほら、私帰宅部だから。」
もちろん嘘だけど。
結局そうして私はその日のうちに映研に入部した。
正直頭の中の冷静なもう一人の自分が
「なにやってんの?」
と突っ込んだりもしたけれど、
受験や将来のこともどこか投げやりな気持ちになっていた私には
「なんとなくそうしたい気分」
というだけで決定するに値した。
* * *