「うーん…

頭の良い人。
なんていうか、これが好きだとか、こういうことをしたいとか、自分のポリシーがあって芯のある人、かな?」

先生が応える。



「えー!ハードル高~!

え、じゃあ外見とかは?」

「見た目はいいよ。なんでも。」

「なんかあるでしょ!

ちっちゃくて可愛い子とかスレンダーで美人系とか。

髪とかもふわふわカールが好きとか黒髪ストレートとか…」

「あぁ、黒髪ストレートはいいなぁ…」



「!!」



先生、黒髪ストレートが好きなんだ…

私の髪もナチュラルではあるけど、黒髪ストレートって言えるかどうか…

あまり手入れもされてない毛先を摘まんでみる。



「きゃー!じゃあたしも黒髪ストレートにするー!」

「あたしもーッ!」

「じゃまたねー!先生!!」

パタパタと女の子達が駆けていく音がする。



(黒髪ストレート…)





その日の帰り道、私は揺花に言ってみる。



「私ストレートパーマかけようかな?」



パチン!



揺花は私にデコピンして、

「勉強しろ、受験生!」

と言った。

     *  *  *