村田との三者面談も無事終わり、私も、それからクラスの雰囲気もいよいよ本格的に受験体制になり始めた。



外は枯れ葉が舞い、すっかり秋。

きっとこの秋もあっという間に過ぎるだろう。

セーラー服の上に羽織る今年最初のPコートが早くも冬の訪れを予感させる。





「初原せーんせーッ！」



3時間目の休み時間、3階の教室の前の廊下を歩いていると窓の外から声が聞こえてくる。

先生を呼ぶ女の子達の黄色い声。

窓から下を覗くと先生と駆け寄る中学生数人の姿。



最近になって先生と私の噂はあまり聞かれなくなった。

と同時にファンの中学生に先生はまた付きまとわれるようになった。

噂が治まったのはありがたいけど、ちょっと微妙…





「ねっ先生！好きな女の子のタイプってどんな子？」



ドキッ

遠慮会釈ない中学生女子の質問に心臓が跳ねる。



「は？そんなのねぇよ。」

「えー！なんかあるでしょ!?なんでもいいから！ねっ！」

「えぇー…」



先生困ってる…

なんて思いながらもついその場から離れられなくなる。



先生の好きな女の子のタイプ…



(うゎ…めっちゃ知りたい…かも。)