「南条は俺のことを信頼してくれた。



正直応接室の面談の時、一度は手を退こうと思ったんだ。

『それが南条の為なんだ。』ってもっともらしい言い訳をして、ホントのとこ俺は逃げたんだと思う。



それでもお前は俺を信頼してくれた。



だからあの時─村田先生の進路指導の時もお前のこと何とかしてあげたい、しなくちゃいけない、と思った。

その信頼を裏切りたくないと思った。



それに何より。

出来るなら俺がお前と一緒に夢を探して、叶えてあげたかった。」



先生はいつにも増して優しく微笑む。

それはまるで小さいものを慈しむように。



「もし今日はそれが出来てたなら、
南条の役に立てたなら良かった。」



「先生…」



役に立てた、なんてそんなこと…



私、ありがたすぎて、『感謝』なんて言葉じゃ表しきれないくらい感謝してるよ!!



上手い言葉も見付からなくて、私はただ繋いだ先生の手をぎゅっと握った。