「お前は俺の『妹』だろ?」



「へっ!?」



高鳴った胸のドキドキがさっと退く。



『妹』って…

何…?



「だってお前は俺のこと『妹のように思ってくれてる』って言ってたろ?」

「え…?」

「ほら、中3の落合に。覚えてない?」

「あ…」



夏休みが明けたばかりの頃、理科室の前で中学生に絡まれた。

確かにあの時私はそう言った。



(先生…聞いてたの!?)



「親身になって、時間を割いて手助けして、包みこんでくれる。

南条はそう言ったろ。」

「……」



正直本音じゃなかった。

中学生にぐうの音も出させないためのはったりだった。



でもそれを先生は違う解釈をしていて─