「先生はお若いので分かっておられない!

大切な娘が苦労するのを分かっていてみすみすそんなことさせるわけにはいかないでしょう!」

「私にとっても南条は大切な生徒です。

私自身教師としてこの仕事の良さ、素晴らしさは理解しているつもりです。

でも良さは人それぞれです。

もっと他のところに魅力を感じる、その為にならどんな努力も厭わない、
そのくらい愛しているものがある子に俺は自分の価値は押し付けられません。」

「私の娘だ!君に何が分かる!?」

「では『先生』はご自身の教え子に『親の意向と自分の夢が違う』と相談された時にどうご指導なさいますか?

親御さんの言うことを聞け、と仰いますか?」



(先生…お父さんを『先生』って言った…)



先生は淡々と喋っているようで、実際はかなりエキサイトしているのが私には分かる。