「如何ですか?お父さん?」
母がお盆に紅茶のカップを乗せてリビングに入ってくる。
カップを置くと、父の隣に座る。
「我が家は代々国大教育学部から教員になっております。
今舞奈の上の息子がまさに国大に通って教員を目指しているところです。」
「舞奈さんは教職に就くことは考えておられないようですが?」
「これはまだ子供ですので、分かっていないのでしょう。
教師という仕事は女性にこそ天職と思っております。
産休育休を取ってもまた復帰出来ますし、近年公立校は特に女性職員へのバックアップに力を入れております。
家内を見て頂ければお分かり頂けるでしょう。」
「どうだい南条?
お父さんはこう仰ってるけど?」
先生は父の言葉に一つ頷いてから、私に眼を向けて訊ねる。