「先生、傍に居て。」

「分かってる。」



先生は私に布団を掛けると両手で私の手を握り、ベッドの縁に座ってすらりとした脚を組んだ。



「ここに居るから。」


「こっち来て?もっと傍が良い。」


「…我が儘言うな。」


「じゃあ、ずっと傍に居てね?」


「分かってる。」


「私の傍に居てね?」


「あぁ。」


「ひとりに、しないでね…」



そのまま私の意識は遠ざかる。



「おやすみ…舞奈。」

耳元で甘く優しい声がして、頬に何か温かで柔らかな感触を感じたのと同時に私は眠りに落ちた。

     *  *  *