ピピピピピッ…
突然電子音がして、私が眼を開けるのと先生が私から離れて立ち上がるのが同時だった。
先生がキッチンで火を止める。
(今の…キス…寸前だった…?)
後になって激しく胸がドキドキしてくる。
しばらくして先生がカップを手に戻ってくる。
「悪いな、インスタントで。
それと砂糖はあるけどミルクはない。」
「いいよ全然、ブラックで。
ありがとう。」
先生からカップを受け取り、一口飲む。
「熱。」
「淹れたてだからな。気を付けろよ?」
「ん。でもあったまる。」
「そうか。」
それからしばらく会話もなく、私はゆっくりコーヒーを飲み、それを先生は隣で待っていてくれた。