説明会があったり、教科書を取りに行ったり、
入学式まで慌ただしく過ぎていった。


真新しいパリパリの制服。


憧れのブレザーだ。


馴れないネクタイも何度も練習してやっと形になるようになった。



「蓮ー、遅刻するよー!」

「はあーい」



階段下からのお母さんの声を受け、鏡の前で最終チェックをして階段を掛け降りる。


緊張と、期待と、不安と


沢山の感情を背負って学校へと向かう。



「あぁ…心臓痛い…」

「はいはい、さっさと行くよ」



昔からサバサバしたお母さん。


それが良くもあり悪くもあり…


そんなお母さんに急かされ校門をくぐった。


見慣れない校門。そこから見上げる見慣れない校舎。


それが今日から私の学校になる。


…よしっ!


大きく深呼吸して校舎への一歩を踏み出した。