それから、何事もなく過ぎていく
二つ上の生田目先輩とは接点なんて部活しかなくて
そんな部活にも、時々しか顔を出さない生田目先輩
先輩が部活に来ている時は気が気じゃない
隣のコートが気になって仕方ない
たまに目が合うと優しく微笑んでくれる
それだけでドキドキする私は、先輩の罠に落ちているんだろう
「可愛い」って言われただけ
なのに、気にしているのは私
そう。私だけ
先輩も私を気になってくれていたら連絡先を聞いてくれるはず
でも一ヶ月経ってもそれは無くて。
「あの…生田目先輩のLINEとか…教えてくれますか?」
痺れを切らしたのは、私の方だった。