数日後、三日間ぐらいあった正式な部活見学。
そしてその後の部活決定の日。
いつも体育館に行くと小柄な先輩は喜んでくれて、
男バスのマネージャーの先輩も話しかけてくれて。
同学年のバスケ部希望者に知り合いが居なかったから心細かったけど、
先輩方のお陰で少し救われた。
そしてやっぱり、男バスの長身の先輩は目立っていた。
先輩目当てに男バスマネージャーを希望する子が溢れて大変だったみたいだ。
「アイツ目当ての奴らは全部断ったけどね」と、現マネージャーの先輩方がぼやいていた。
同じ一年でバスケ部に入部した子達も毎日の様に騒いでいる。
「やばい、めっちゃ格好良くない?!」
「名前なんていうのかなぁ」
「生田目先輩っていうらしいよ!」
「えー彼女居るのかなぁ?絶対居るよね格好良いもん~」
同じ様な会話が繰り広げられる。
私はその輪に入っていないけど、聞こえてはくるわけで。
生田目先輩、かあ…。
……いやいや!狙ってるとかそんなんじゃなくて!
ただ、その、やっぱり格好良いなとは思うわけで…
自分が相手にされないのなんて分かってるから。
「蓮ちゃん。生田目が蓮ちゃんのこと可愛いって言ってるよ」
…………はい??
男バスマネージャーの先輩からのこの言葉で、
私の高校生活は一変することになる。