みんなアイスを食べ終え、帰る事になった。


「リュウヤとシズカと私は同じ方角だね!帰ろ!」

「俺、原田さん送っていくから」

「なんで?遠回りじゃん」

「女の子が1人じゃ危ないだろ?」

「なら、みんなで帰ろう!」


美月は原田さんと俺が2人にならないようにしていると思ってしまった。


「そしたらお前らの帰りが遅くなるだろ?先に帰ってろ」

「だからこそ、みんなで帰るんだよ!」

「空気読めよ。じゃーな」


俺は少し強引に原田さんの腕を掴んで歩き出した。

原田さんもビックリしたと思う。


「ちょっと、」


美月も焦っているが後を追ってこなかった。


「リュウヤくん?ありがとう!」


少し進んだところで原田さんは言ってくれた。


「約束だったから。」

「じゃーもう1つの約束もお願いしていいかな?」


もう1つの約束とは、手を繋ぐこと。

この行為に深い意味はあるのか。

俺にはどうでもよかった。

俺は腕を掴んでいた手を離し、原田さんの小さな手を掴み直す。


「リュウヤくんの手って大きくて温かいね?」

「そうか?」

「なんか安心する」

「…」

「ねえ?私、リュウヤくんの事…好きなの」

「…」

「きっと気づいてたよね?リュウヤくんは私の事どう思ってるの?」

「どうって言われてもなぁ…」


原田さんの足が止まった。

つられて俺の足も止まる。


「私ね?リュウヤくんの事本当に大好きなの。一緒にいたいって思うの。だから、お願い…これからも側にいたい。」

「原田さん…俺」

「答えは今じゃなくていい!でも原田さんはもうやめてほしい。私も呼び捨てで呼んでほしいな?」

「どういう事?」

「美月、美月ってちょっと妬けちゃう。ユイって呼んでほしいの」

「わかった…」

「本当に?!やったー!嬉しい!」


原田さんの嬉しそうな顔。

その顔にさっきの清水さんの顔が重なる。