「…理央、今日はここに来ない」
「え?」
「なんで?」
「どう言うこと?」
私たちは一斉に山岡くんに聞き返す。
「正確には別荘にもいかないし、プールにも花火大会にも登校日にも来ない」
山岡くんが何を言っているのか全然わかなくて、口をぽかんと開けることしかできない。
『夏休み、楽しみだな』
そう言ったのは理央なのに。
来ないなんて、そんなこと…。
「赤羽くん、でも桜庭くんは寝坊なんでしょ?」
心がそう聞くけど、赤羽くんは無言のまま首を横に振った。
「…え」
寝坊じゃないって…どう言うこと?
赤羽くん、嘘をついていたの?
「…ごめん。でも桜庭がどうしても言うなって言うから…」
そして、赤羽くんは小さくそう言った。
どう言うことなの。
なんなのよ。
なんだかとたんに嫌な予感がする。
「…理央さ」
そして、山岡くんがそう口を開いた。